扱う事にしている。
最も直近、今年引退した選手たちについて。
今年の清水商業には、去年の藤田俊哉より才能豊かな
MFがいる-----ある時サッカー雑誌に、そう書かれて
あった。
私は、はなから嘘だと決めつけた。
あの藤田を上回る選手が、もう次の年に、しかも同じ
学校に現れるとは思えなかったからだ。
けれどもそれは、本当だった。
名波浩というMFは、プレースタイルこそ違うものの
ゲームコントロールや中長距離のパス出しで、藤田
を上回る才能とスケールを持っていた。
記事には、しかしこうも書かれてあった。
ユース代表の中東遠征では、日本はまったくダメだった。
名波も、才能こそ感じさせるもののプレッシャーに弱く、
今の状態では国際試合で通用しないと感じられた。
アジアでも勝てない当時の日本にあっては、それは仕方のない
結果である。
ただこのように、名波はあの暗黒時代に生まれ育った選手である。
それはバルセロナオリンピックのアジア予選敗退、すなわち
Jリーグ前まで続くながい時間である。
この不遇の時代に生まれ育った名波が、ここまで息が
ながくアジアで確固たる地位を築いた日本を代表する選手
となった事は、大きな驚きであり喜びである。
またそれは、彼の才能とサッカーに取り組む姿勢、努力
の賜物と言えるだろう。
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名波浩 栄光への道のり (スポーツノンフィクション)


