主題歌は竹内まりやの『恋の嵐』。
なぜかこのドラマには、雨の印象が強く残る。
その頃おこなわれたキリンカップでは、豪雨の中で日本代表
がヴェルダー・ブレーメンと対戦していた。
どこかの局のニュースでは何の冗談か、映像のバックに
『雨に唄えば』(Singin' in the Rain)が流されるという、
ひどいコンディションだった。
直後におこなわれるメキシコワールドカップの出場を逃していた
日本代表は早くも翌々年におこなわれるソウルオリンピック出場
を目指して始動を開始。相手ブレーメンには奥寺がいて、南米
からやってきていたパルメイラスにはカズ、三浦知良がいた。
当時の数少なかったファンはこの海外のベテランと希望の若手
に思いを馳せながら、前年韓国に惜敗した代表チームの躍進を
夢見たが、一年後には同じ国立で再び冷たい雨のなか中国に
完敗を喫しオリンピック出場を逃す。
そしてそれからの暗黒時代と大ブームの到来を予見していた
人間が、果たしてこの時いただろうか?
こんな具合に極東の島国は梅雨そのものの湿っぽいムードの中
にあったが、世界は広い。
メキシコワールドカップが開幕。
”太陽の国”と称されるメキシコの日差しは眩しく強烈で、時差
で真夜中なのにもかかわらずテレビ画面からその熱気を十二分
に伝えてきた。
いやそれは開催地の気候のせいではなかったのかもしれない。
そこにはジーコがいてプラティニがいて、リネカーがいて
ブトラゲーニョもいた。そして何より、マラドーナがいた。
金曜ドラマ、雨のキリンカップ。
あのメキシコワールドカップの熱い日々を思い出すと、これらが
同じ年に起こっていたなどと到底信じることができない。


